私:<こんな時間に、珍しいねえ。>
配車で会社のタクシー乗り場に着けると、お乗りになって来られた方は、
お客様:『XXX区の○○○果樹園の上の家。』
とのこと。
私:<あのお客様か。>
私:<昔、この会社に居た頃に、支払いで会社から通達が出されていた人だ。>
私:<今回も、支払いでは要注意だゾ。>
目的地は、まだ覚えていたので、上から回り込むか下から大回りで行くのかのルートを確認して発車。
すると、案の定、トンデモナイ事を言って来た。
お客様:『乗り合いタクシーのチケットが家に着けば、母親が持っていますので、それで支払いします。着いたら、家に取りに行きます。』
との頓珍漢な事を言って来た。
私:『それは、昼間の一部の利用者に限って利用出来るだけです。』
更に付け加えて、
私:『夜のタクシーの利用者には、使用できません。』
あまり納得されていない雰囲気が伝わってきたが、
お客様:『そうですか。それでは、着いたら、家の母親にお金を取りに行ってきます。』
もう、この時間帯は、外は真っ暗闇。
私自身も同期のドライバーにも、これで乗り逃げされた経験がある。
しかし、今回は、それは避けるべき事態。
暫し待機すると、母親が、真っ暗闇の中を、一万円を持って来た。
私:<夜にタクシーを利用して、こんな老いた母親に頭を下げさせるなよ。親を労われよ。>
何とも複雑な心境にて、無事に、完結。
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