私;『スタミナラーメン。こってり味を、昼に食べたが、始業前点呼で引っかからないかな。』
と、不安げにアルコールチェックをすると、
点呼係;『ハイ。大丈夫ですね。本日も無事故でお願いします。』
安堵の出庫。
そんな本日の担当エリアは、グループ会社で、我一人の乗務。
その後は、いつもの如くに暇な状態。
そこへお店へ配車。
お店にお声掛けして、いつもの様にドアサービスすべく待機。
すると、出て来られたお客様が、
お客様;『あ。いつもの運転手さん。』
そして、
私;『今日は、どちらへ。』
と、行き先を確認しての発車。
私;<いまだに行き先が直ぐに出て来ない。歳だね。>
すると、
お客様;『夜は、いつも一人乗務?。』
素朴な質問を投げ掛けられて、
私;『ハイ。平日の夜は、1台だけの稼働です。』
更に続けて、
私;『タクシードライバーの成りて不足に加えて、夜の乗務をする人が減っているのが現状です。』
そんなこんなの会話をしている内に、無事に現着。
この夜は、このエリアの乗務をして初となるパチンコ屋へのお迎え。
私;『ここのパチンコ屋の主な出入口は、何処だ?。』
悩みつつその周囲を2周グルリと。
そうこうする内に高齢の女性のお客様が現れた。
お客様;『待ちましたか?。』
私;『いえ。お待たせしました。』
私;『どちら迄?。』
笑顔で対応すると、驚きの目的地を言われた。
私;<え?。>
私;<この年齢の女性が、何故にこんな遠いパチンコ屋に居るの?。>
その後の会話で、
私;<お医者さんに来ての帰りか。>
更に、素朴な疑問を投げ掛けられた。
お客様;『夜、怖くないですか?。』
極素朴な疑問。
私;『怖いですよ。』
私;『何せ私は、ビビりですから(笑)。』
私;『色々な方が乗って来られますからね。』
すると、意外な返答が来た。
お客様;『私も、怖いの。』
私;『え?。』
お客様;『どんなタクシードライバーさんが来るか分からないから。』
私;『!。』
私;『確かに言われる様に、タクシードライバーも色々ですからね。』
そうこうする内に、地元エリアの公営住宅に到着。
お客様;『良かった。タクシードライバーさんが来るか分からないから。』
私;『?。』
お客様;『今日は、優しい運転手さんで。』
私;『ありがとうございます。』
私;『またのご利用お待ちしております。』
今夜も、そんな色々と有ったが、暇なままに乗務終了。
私;『お客様も、私も、楽しく乗務を終えたいね。』