「ｄ払い等、使えますか？」

私；＜この近辺の田舎のタクシーで電子決済が出来るのは、極僅かだよ。＞

クレジットカード決済が出来るのかを尋ねて来られたビジネスマンの方には、

私；『田舎のタクシーでクレジットカードを利用したい時には、乗る前にクレジットカードが使えるのかを確認された方が良いですよ。』

必ずこのアナウンスをする。

良くあるのが目的地に到着してのクレジットカード決済の申し出があり、現金の持ち合わせが無い時は困ってしまう。

そんな今夜、夜には余りお見掛けしない決して若くはないグループがお乗りになって来られた。

私；＜まあ、この店は現着しても散々に待たせての近場が多いから、今回もそんなパターンでしょ。＞

ところが、乗って来られての行き先が、リーダー格？が酔っていてハッキリと分からない。

そこで、復唱して確実に確認しての発車。

経由地もグループ内で意見が分かれて、

私；＜もう、ウザイねえ。早く完結したいね。＞

そんなこんなで辿り着いた所が山の中。

お客様（女性）；『ｄ払い、クレジットカードでの支払いが、出来る？。』

と聞かれて来られた。

私；『すみません。田舎のタクシー会社の経営状態は厳しいので、クレジットカードの利用は出来ません。』

お客様（リーダー各）；『え！？。現金の持ち合わせは、無いよ。』

お客様（女性）；『信じられない。』

お客様（若手の男性）；『このタクシー代くらいの持ち合わせは、あります。』

私；『ありがとうございます。』

何とか此の難局をくぐり抜けての完結。

私；＜会社は、クレジットカード決済を検討してほしいね。贅沢を言えば、ＥＴＣとメーターの連動をして欲しいが。＞

田舎では、贅沢品。

私；＜無理だね（笑）。＞

「かなわんなあ」

私；『いつも此の店は、２０分も待たせるねえ。』

夜の飲食店の中で、ドライバーから不評な店は決まっている。

　・タクシーが現着してから発車までの時間が長い

　・散々に待たされての運行時間が短い。

　・泥酔者が多い。

　　　　等々

故に、その店への配車が来た時には、店にに向かう前から覚悟しての走行。

私；『これが、我が身が歩合制ならば、やる気が失せる。』

同僚；『会社は、タクシー利用者に対して、現着してからメーターを入れる迄の時間を表示すべきだ。』

私；『忙しい時には、困るからね。』

同僚；『前の会社では、その制度が存在していたが、その指示が徹底されずに現場任せが多かった。』

私；『それでは、トラブルになった時には、一番の被害者はドライバーですからね。』

同僚；『更に、最近ではタクシードライバーの事故のニュースをTVで多くなったから、田舎でタクシードライバーをやろうとする人は少ないよね。』

私；『確かに。』

ウワオ！。微熱だよ。さて、今夜の乗務をどうしようかな

私；『夜の担当車がいないから、そう簡単には仕事を休めないね。』

毎日起床後に、我が身の健康管理をチェック。

　・体重測定

　・血圧測定

　・体温測定

此れの測定結果は、通院の時に持参するので、ＰＣソフトへ入力。

すると、気になる測定結果。

私；『この体温結果ならば、本来であれば、休日とせねばいけない。が、休めない。人がいない。まあ、無理せずに乗務すればよいか。』

そんな時に、

配車担当；『明日の夜は、例の退職から復活した人だけですから。』

私；『え！。私一人の体制と変わらないですよ。』

私；＜どんまい（泣）。＞

ウワあ～。また仕出かしてしまった。

私；『不足してきた釣り銭の五十円玉を節約したのが裏目に出てしまった（泣）。』

夜の飲食店にお迎えに行き散々にお待ちしての男女の行き先は、

私；＜おいおい。逆方向のＪＲ駅かいな。＞

電車の接続時間を確認しての走行。

無事にＪＲ駅に到着。

お客様（男）；『支払い方法は？。』

私；『すみません。現金払いのみです。』

と、出されたのが

お客様（男）；『すみません。大きいのしかないです。』

私；＜おいおい。先程の店で、此の後の事を考えて支払いをしないの？。＞

とは思うものの

私；『宜しいですよ。』

顔は笑顔で釣り銭の勘定を始めたが、

私；＜五十円玉が不足して来たから節約せねば。＞

ここからが大きなミスの始まり。

私；『五十円玉か、百円玉があれば助かりますが。』

これが釣り銭の勘定を間違える切っ掛けとなり、

私；＜あちゃ～（泣）。＞

何と千円札を多く返してしまった。

私；『その内に、その損失分を取り返せるよ。』

私；『どんまい！。』

何だか、今週の疲れが酷いね。

私；『今週の乗務日数を見直せば、貴重な休日を振出していたのか。』

会社の段取りが悪いこともあり、会社の業務系の講習会が年度末に重なった事が要因。

他の要因は、

　タクシードライバーの高齢化

　　と

　地方のタクシードライバーのなり手不足。

同僚Ａ；『こんな給与待遇では、駄目だよ。』

同僚Ｂ；『え？。以前のタクシー運賃の値上げが＜タクシードライバーの待遇改善＞だったはずだがね。』

私；『まあ、私は、この仕事を此の先に長く出来るとは思っていないから、次の世代に期待ですね。』

田舎のタクシー会社では、クレジットカード払いが出来ない現状。

故に、此の先も厳しい状況には変わらない。

若手が安心して生活が築ける時代にならねばね。