私;『そろそろ今夜の乗務はお仕舞いの時間だな。』
1日の最後の2時間程のタクシー稼働台数は、私を含めて2台のみ。
時間を見計らい車庫へ行くと、もう1台の同僚タクシーが既に車庫に格納状態。
私;『ありゃま。早いなア。』
早速洗車をしていると、
配車担当;『出られます。XXXXさんのお宅ですが。』
との嫌な時間帯の依頼。
私;『その家だと、息子さんが自宅に帰られるのかな。(ならば、順調に終わるかな)』
その後、それが間違った見込みであるとはその時には分からなかったので、
私;『良いですよ。』
いやいやながらも承諾。
ところがこれがこの後に悲惨な幕引きになるとは思いもよらなかった。
依頼先の家に現着してインターフォンを押下。
だが、
私;『あれ?。いつもならば、深夜の玄関チャイムでも直ぐに家から出て来るのに、今日は変だなあ。早く帰りたいのに。この分だと、帰庫オーバーだよ。嫌だよ。』
流石にイライラして来た。
そんなこんなで、散々に待たされて出て来たが、
私;『あれ?。いつも直ぐに家から出て来てタクシーに乗るのに、今夜は玄関先が賑やかになるもののタクシーに乗る気配が皆無だよ!?。』
すると、深夜の高級住宅街にデカイ叫び声が響き始めた。
私;『おいおい。深夜の住宅街でデカイ声で騒ぐなよ。泥酔者だなあ。息子ではないね。』
散々な嫌な思いの末に乗って来て
泥酔客;『XXX区。』
と言って乗るや否や後席で横になり寝てしまった。
私;『だから、こんな時間に来る電話は、まともな物は無いのだから、断れよ(怒)。』
配車担当への怒りで発車。
しかし、走行ルートは、いつもの息子さんと似たルートなので、目指す家のだいぶ手前まで来たが、困った事に熟睡モード。
しかたなく信号機の手前で道路脇に停止。
私;『熟睡してしまったよ。この泥酔者は(怒)。』
ここで体を揺り動かして起こす事は、ご法度。
ましてや、女性のお客様にそれをやると、
指導員(当時);『女性の身体を触ると、セクハラですからね。男性のお客様でも揺り動かして起こすと、トラブルの元。』
との教えを遵守。
だが、なかなか起きない。
何とか呆けた頭のままで起きたお客様に行き先をお聞きすると、
私;<ア~あ。ならば、此の手前で曲がれば良かった。>
何と、この交差点を鋭角に左折せねばならない。
しかし、やむなく気を付けながらハンドルを切って左折していると、
ガリガリ
嫌な響きが入ってきた。
私;『???。白線に留意しながら曲がったはずなのになあ。』
右側を見ると、
私;『あちゃあ。中央線だと思った白線が道路右端の白線だった(泣)。また、事故報告書だよ。』
その後、呆けた泥酔客の頭を起こしつつルートを伺いつつも、何とか現着。
ところが此の泥酔客は、
泥酔客;『私が乗った店は、〇〇〇だった?。』
と馬鹿な事をホザイテいる。
私;『イエ。違いますよ。◇◇◇◇会社の重役さんのご自宅ですよ(こんな深夜まで、取引先の重役のご自宅に居て、しかも、家の内外でデカく騒げば、普通の会社ならば取引停止だね)。』
何とも馬鹿な泥酔客の為に、私が悲惨な結末の1日となってしまった。
案の定、全てを完結して車庫に戻ると、
私;『やはり、相方さんは、既に帰宅か。もう、散々だなあ。』
以前にも此の時間帯に来た配車でも悲惨な目に遭遇した我が身としては、イライラが募ってくる。
私;<嘘も方便で、ロクな電話も来ない時間帯の依頼は、断れよ。>
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