勤務時間:18:30~08:30
出庫早々に、私はホテル紹介業者へ転向。
配車で病院の病棟口へ到着すると、高齢のご夫婦がお待ちになっておられた。
私;『どちら迄でしょうか。』
お客様(ご主人);『突然に泊まる事になってしまって、何処かホテルがありますか。』
以前にも泥酔者や不倫カップル?に同じ依頼を受けた事があった。
しかし、今回は、これまでの目的とは別。
私;『他のお客様から、最近のビジネスホテルは予約状況が混んでいる様です。探しては見ますが。旅館では駄目ですか。』
お客様(ご主人);『ホテルが良いです。』
私;<さてさて、どうしようか。>
ホテルと旅館の違い
とりあえず、我が社をご贔屓にしていただいている”旅館”にご案内。
私;『どちらから来られたのですか。』
お客様(ご奥様);『福島県。』
私;『遠くから来られたのですね。』
お客様(ご奥様);『泊まる予定では無かったので困っています。』
私;『そうですか。旅館ですが、駄目ですか。』
と判断をあおぎつつも旅館へ到着。
お客様(ご奥様);『私が一緒に行って聞いてきます。』
私と奥様が同行。
旅館の女将さんと交渉の末に宿泊決定。
お客様(ご奥様);『ありがとうございました。』
そして、周辺のコンビニや食事処を地図にしてご説明して完結。
乗車料金は、三桁で完結。
しかし、
私;『泊まる所が見つかって一安心。』
そんな夜の始め頃にJR駅への配車。
到着すると、如何にも結婚式の二次会と思われる若者集団を発見。
私;『三次会への面々か。無事に完結する事を祈るのみ。』
お客様のお名前を確認してご乗車。
私;『どちらまで。』
お客様(女A);『〇〇〇カラオケ屋。』
私;<随分と遠いところへいくな。早く縁を切りたい集団だ。>
ここへのルートは、複数考えられる。
が、時間帯と信号機の数等を考慮して自分なりのルートを決定。
途中までは何事も無く進行。
ところが、最後の分かれ道に差し掛かると、
お客様(女B);『え?。こっちを行くの。おじさん、道知らないの。』
と、言われると予感していた疑問を投げかけられた。
私;『私は、こちらの道の方が近いと思っています。』
と言い切って、そのまま進行。
その後は、トラブルにならずに現着。
ところがその後、明け方頃にまたこの集団に遭遇する事になる。
その時には、更に厄介な事に巻き込まれる事になってしまうのであったが。
何をしても今回は完結。
そして、深夜3時にはいつもの様に暇になり熟睡タイム。
私;『しっかりと寝たな。』
そんな間も無く深夜割増時間帯が終わろうとする頃に、タクシー乗り場に”あの集団”がやって来た。
そして、私のタクシーにその内の男女2人が乗ってしまった。
私;<ノートラブルを祈るのみ。>
私;『どちらまで?。』
お客様(男);『右へ、その次を右。その次を左。』
私;<厄介な酔っ払いだ。>
それでも指示のまま進行。
始めに男性が降りて、女性の指示にしたがい進行。
まもなく、女性が男性と電話をし始めた。
すると、
お客様(女);『運転手さん、財布が落ちていない?。』
直ぐに車を止めて、お客様の承諾を得て車内を捜査。
私;『無い様です。先程の所へもどりますか。』
そんなこんなで無駄な時間だけが過ぎて行く。
お客様(女);『この止まっている時間もメーターは、上がりますね。』
と、ウンザリした様な気持ちを込めて確認をされてきた。
私;<私も無くたいね。>
その後は、財布が見つかるはずも無く、何も変わらないまま再度発車。
更に、後席の苛立ちが感じられて来た。
私;<とばっちりは、ご免だ。>
そんなこんなで何とか現着。
そして、無事に精算を済ませた後に再度車内お捜査。
全く無い事を確認後、そそくさとその場を後にした。
其の後は、しずかなままに帰庫。
私;『日曜日の夜に奇跡のノルマ・クリアだ。』
本日の売上;ノルマの104%
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